新年好!
Twitterで春節の紅包の習慣について投稿したところ色々反応がありました。
意見の中には、同じ中国でも他地域では紅包の習慣がかなり違うという内容が多くありました。また、いくら払えばいいの?という疑問も見られました。そこで、1度私の知っている範囲で「広東省で働く日本人のための春節期間紅包まとめ」を書いてみました。
尚、冒頭でわざわざ「広東省で」と地域を明確化したのは理由があり、北方など他地域では親類間以外に春節期の紅包を渡す習慣がそもそも無いところも多いそうです。ご注意ください!
ですので、これから先の内容は、あくまで「日本人の見た、広東省の例」として読んでくださいね!
春節の紅包(Hongbao/ホンバオ)って何?
旧正月期間に渡すそれは、日本の習慣で言うと、”お年玉”という概念が一番近いですね。(ここでは冠婚葬祭のご祝儀である紅包とは切り離して説明しています。)
春節のお祝いとして、年長者が若年者に配るおこづかいになります。ただし、日本のお年玉の場合、「大人が子供にあげる」「未成年もしくは学生身分までもらえる、それ以降は自分が払う立場になる」という概ねの線引きですが、広東省では、特に職場において成人が成人に渡す事や、マンションやオフィスの警備員や清掃員に渡す事も多いです。
春節の紅包は基本的には上位(年配)のものが下位(若年)のものに渡す習慣があるのですが、職場で渡す場合の動機は存在します。
では、親類間ではなく、何故職場で成人から成人に紅包を渡すのか、それには配る側に概ね以下のような目的があります。
- 配る側の面子を保つため
- 受け取る側により良いサービスをしてもらう為
しかし、どういった立場で、どれくらいの金額を配るのが良いのでしょうか?また、外国人である日本人はこの習慣をどのように利用すればいいのでしょうか?
以下に広州で長年働いて来た私の知っているパターンやオススメ案を、いくつかの属性別に紹介します。
- 中国人老板の場合
- 40代駐在員責任者の場合
- 30代未婚駐在中間管理職の場合
- 30代既婚現地中国人スタッフの場合
- 20代現在採用日本人の場合
中国人老板の場合
通常ですと、従業員全員に各50-100元位は配ります。(もちろん、高収益のイケイケな業界ならもっと高額を出していることもあるでしょう。)
ですが、ひとまず50-100元を配っていればそれなりに面子を保てます。
仮に100人に100元配れば10000元、なかなか大きな出費ですが、会社と個人の財布の区切りが曖昧な中国個人企業にとってはごくごく小さな問題でしょう。
40代駐在員責任者の場合
日系企業駐在員で責任者(総経理等)の場合は、上記中国人老板の様に会社経費で配るのは難しいかもしれません。
そこで、代々財務がやりくりしてくれて経費から紅包を捻出しているようなところもあれば、そもそも日系企業なのでそういう文化が無いものとして一切配らないところもあります。
もしくは中国慣れしている駐在員であれば、自身の男気で、中国人老板同様の内容をポケットマネーで出すパターンも。
30代未婚駐在中間管理職の場合
広東省では未婚の場合は配らなくてもいい、という考え方があります。しかしそれは30代に入ると大体結婚しているという前提の話である為、日本人のように30代の結構いい歳ならば、未婚でも駐在員として管理職ポジションを与えられていることがほとんどですので、1.面子+2.サービス期待のために配るのをお勧めします。ただし経費が廻せる事はあまりないと思いますので、ポケットマネー範囲で、具体的には10-100元くらいを自分が深く関わるチームだけに配るというのがベターです。
また、自分の職場や社内外タスクチームにWechatのグループチャットがあれば、チャット内でWechat機能を使って红包を配るのがさらにオススメです。
この機能の場合、Wechat上でグループ内の配布人数と合計金額を設置でき、受け取りをクリックした人から順番に、分割された金額がランダムに配分されます。人によって、Aさんは18元、Bさんは8元、Cさんは10元、といった具合に異なる金額が当たります。これが逆に射幸性があってスタッフとチャットが盛り上がり、また合計金額も低く抑えることが出来るので非常にオススメ。
30代既婚現地中国スタッフの場合
中国企業だと、未婚の若者(主に女性)が既婚の職場スタッフに紅包をおねだりしに行く、という微笑ましい?光景があります。そんな場合、中国人スタッフは5-10元/1包みの紅包を沢山用意しておき、たかられた分だけ手当たり次第に渡します。この場合は「何かお札の入った赤い封筒」をやり取りするのを楽しむ、というお祭りレベルなので、金額が少なくてもまるで問題ありません。
因みに全ての属性が、マンションやオフィスの保安に渡すのもこれと同内容でOKです。
20代現地採用日本人の場合
基本的には、若手で職位なし、未婚であれば社内で紅包を配る必要はほとんどありません。逆にまだ紅包を受け取り出来る側にいる事も十分ありますので、職場では紅包を準備していなくてもいいです。しかし、上記の紅包を渡す動機1&2を意識しながら、周りの人がどのように渡しているかを学習していく事は、引き続き中国ビジネスをしていく上では結構大事だと思います。
まとめ
以上、属性別に分けて説明しましたが、中国人はこうやって紅包、時にはプレゼントをやり取りしながら、仕事上の人間関係を濃くしていく習慣があります(少なくとも広東省では、ですが)。
日本人は意外に思うかもしれませんが、かけた恩はしっかり覚えていて、後で感謝をしっかり示す様な情深いところがあるのも中国人です。なので、もしあるスタッフが家族の病気等でお金に苦労していたりしたら、私は上に羅列した目安はすっ飛ばしてその彼だけに厚い紅包を渡したりもします。その様にして人間関係を保つと、中国生活が長くなるにつれて仕事にも生活にもメリットが出てくるでしょう。
尚、これらはひとまず私の個人的経験を元に書きましたので、何か外部データ参考にしたわけではありません。
もし「ちょっと違うよ!」とか「こういうパターンもあるよ!」という方いらっしゃいましたら是非是非コメント欄まで。
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