中国での手取り給与計算早見表

 中国で働いてる方でも、中国の社保/所得税を理解していない方が多いと思いまとめてみました。中国で働く日本人は、現地の人と同様に社会保険料/所得税の納付が義務付けられており、普通はこれらが天引きされた金額が手取り給与として支払われます(自分で納税する方法も選択できます)。駐在員であればこれらのコストが会社負担で目にすることがない方もいらっしゃるかもしれませんが、その内容をある程度は把握しておくことも大事でしょう。

社会保険の種類

中国の社会保険は、被雇用者からは養老金(日本でいう年金)、医療保険、失業保険の3つが天引きされます。それぞれ8%、2%、1%が目安となります(広州市の場合)。これは外国人でも強制加入ですので必ず引かれるものです。(2019年9月1から「社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定(日・中社会保障協定)」が発効され、これまで,日中両国で年金制度への加入が義務づけられ,年金保険料の二重払いの問題が生じていましたが、この協定の規定により,派遣期間が5年以内の一時派遣被用者は,原則として,派遣元国の年金制度にのみ加入することとなります。)

さらに中国では公積金という、住宅購入時に使用できる積立金制度があるのですが、これは外国人には加入強制がありませんので今回省略いたします。

所得税の計算

所得税は日本と同様に累進課税で、所得が多いほど税金が高くなってきます。以下が適用税率の一覧表です。

年収(RMB)適用税率基礎控除
03%0
360003%0
14400010%2520
30000020%16920
42000025%31920
66000030%52920
96000035%85920
200000045%181920

しかしこれらの一覧表だけでは一体どれだけの社会保険料金、所得税が引かれるのか、はっきりイメージがわきません。

そこで今回社保/税金の早見簡易計算シートを作成してみました。

以下からエクセル計算表のダウンロードが可能です。

2021年度版中国広州給与手取り計算シート

これは広州市のケースを元にしています。各自治体で社会保険の基数の扱いなどが若干変わってきますので、必ずしもこの計算シートで算出した数字が実際に納める社保/税金とぴったり合うわけではありません。あくまで目安としてご利用ください。

日本と比べて社会保険/所得税は高い?安い?

 結論からいいますと、同じ額面給与だと中国の方が手取りが多くなります。社保/税金とし給与から天引きされる金額は、各種所得税控除を使わない計算の場合、概ね


(日本)年収500万で22%。年収1000万で29%
(中国)年収500万で15%。年収1000万で23%

となります。
同じ額面給与でも、中国と日本の手取り給与を比べると、なんと年間で1ヶ月分以上の手取りの差が出ます。

もちろん日本の社会保険の手厚さや、中国で働く上で個人で海外医療保険などに加入する場合のコストなどを考えると実際の生活での負担は一概には判断できませんが、日本は中国に比べて給与の天引きが多い国と言えるんですね。

個人所得税の控除

中国では上記の税率で所得税を徴収しますが、各種控除内容が設けられています。日本人であっても中国人と同様に適用され、毎年専用アプリで申告していれば、相応の所得の控除(一旦納税した所得税から還付)を受けることができます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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